「路面電車とまちづくりを考える市民フォーラム」 2002/9/29



 2002年9月29日に札幌で「路面電車とまちづくりを考える市民フォーラム」が中央図書館で開催された。
 行政組織が主催する「●●フォーラム」とかは、まず行政サイドの通り一遍の(長い)挨拶があり、基調講演とパネルディスカッションがあっておしまい、というパターンが多いように思う。
 しかし、このフォーラムは、札幌市主催,北海道運輸局後援であるものの、彼らは裏方に徹し、゛市民"が中心となってみんなで考えようというスタンスで進められたのが、大きな特徴であった。



 フォーラムのコーディネーターは、゛市民"政策研究グループ「LRTさっぽろ」の吉岡代表が務めた。札幌の路面電車の歴史、かつては「コンパクトシティ」だった札幌の市街地が膨張していく経緯、路面電車を取り巻く情勢などが、豊富な映像と吉岡代表の巧みな話術で、わかりやすく説明される。
 映し出された説明画像をデジタルカメラで撮影する参加者も見うけられた。それにしても、昭和40年代前半の札幌の路面電車は、国鉄と3駅で接続し、都心はもちろん、主要公園(円山・中島)、学校(北大・道教育大など)といった要所を漏れなくおさえており、実に理にかなった路線網だったと改めて感じる。


続いて、(株)アトリエUDI都市設計研究所代表の望月真一氏により、「路面電車:トラムとまちづくり」と題する基調講演が行われた。
 望月氏は、「トラムが街をつくる」「トラムが街づくりの道具となる」フランス各地の事例を取り上げながら、住民参加を通じて見なおす必要性を強調された。



 そして、フォーラムのメインは、路面電車沿線にある幌南(こうなん)小学校4年生による学習発表。
 37名の小さな゛市民゛が、「これからの路面電車のあり方を考えよう」と題して、体験乗車や利用者インタビューを通じて感じた路面電車のいいところ、利用者を増やすための提案、路面電車の未来について、かわるがわる発表していった。
 彼らが大きくなって、例えば自分くらいの年齢になった時、札幌の路面電車はどのように変貌を遂げているだろう・・・。自分たちで調べて、乗客から話を聞いて、イメージを膨らませながら考えをまとめ、大勢の人々の前で発表したという経験は、きっと彼らの将来に役立つに違いない。


子供たちが調べた
路面電車最盛期の路線図


路面電車の利用を増やすためのいろいろなアイディア↓


 後で聞いたが、このフォーラムに200名近くが参加したという。事前申込制だったが「当日飛び込み組」もかなりいたようで、スタッフが会場の椅子の追加に追われる一幕もあった。
 路面電車とまちづくりの今後に対する関心は強いものがあるはずで、今回のフォーラムを1度限りのイベントに終わらせないようにしたいものである。 (D.Takami)


会場前のロビーで開催されたパネル展